私も含めた多くの人は、釣れたフライに執着するものである。
―― ゲーリー・ラフォンテーン
故ゲーリー・ラフォンテーン関連の記事をFlyFisher Magazine 300号より掲載してきました。
『The Dry Fly New Angles』には、「マスがフライを口にするという判断は、どのようにくだされるのか」という永遠の問いに対する考察が溢れています。
天地サイズ約28cm、左右役約21cm、308ページ。
この名著の邦訳版を作り、皆さんにも楽しんでいただきたいと思い至りました。
翻訳家の東知憲さんの尽力により、各関係者との折衝もスムーズにすすんでおりますが、今の日本で、このニッチな大著を出すリスクを負える出版社はおそらくどこにもありません。
そこで、私たちはクラウドファンディング・プロジェクトを立ち上げることにいたしました。
ご協力、よろしくお願い申し上げます。
(株)つり人社 FlyFisher編集長 滝 大輔
「『ザ・ドライフライ』は、アトラクター的アプローチとイミテーション的アプローチを、フライフィッシャー「道」における陰と陽に位置づけています。
それらはお互いに拒絶しあうものではなく、理念と実践の双方において補い合う関係というのは斬新な見方。
マスは「あっアトラクター流してきたな、オレを馬鹿にしやがって」とは思いません。「イミテーションだな、オレが期待してるのとはちょっと違うけど食べてみよう」とも思いません。
フライを口にするマスは、つねに納得しています。そんなマスの頭の中を「なぜ」のアプローチで探り、見つけた太い部材で組み立てた建物が『ザ・ドライフライ』。
その本は愛娘のヘザー・ラフォンテーン・エリソンさんに捧げられていますが、彼女はデイヴ・フィットロックの影響を受けたヘアボディー・フライ「モホーク」の考案者として有名です。
そのヘザーさんと連絡が取れるようになったのは、インターネットのおかげ。彼女は、ちょうど20年に亡くなった父君の書き物の著作権者ですが、この本を翻訳することに快く同意してくれました。
『ザ・ドライフライ』は釣りの格言集でもあって、ハイカロリーな物言いが連射されます。
この本は、「やれやれ、きょうも一日疲れたなあ、気分転換にフライの本でも読もう」という人たちをターゲットとしてはいません。
明日の自分は今日よりも釣りがうまくなっていたい、という向上心に溢れる人たちに考え方の変更を迫る、ぶ厚いテキストブックであり、大教典です。
彼が逝去した年齢と同じ56歳の私がこのプロジェクトに関われることの奇遇を、いま心から噛みしめているところです。なにとぞご支援をよろしくお願いいたします。」
翻訳家 東 知憲
ゲーリー・ラフォンテーン
1945年米国コネチカット州生まれ。
1963年にモンタナ大学に入学するため西部に移住、専攻は行動心理学。
障害がある児童の自立を助ける仕事に携わった後にモンタナ州立刑務所の守衛となり、後にはモンタナ州立病院の小児病棟を担当する。
15才の頃から釣りに関する記事を書き、プロフェッショナルのガイドとしても活動。積み重ねた体験は記事の裏打ちとなっている。
自身の本を出版し、またメールオーダーのビジネスを行なうために、パートナー2人とグレイクリフ・パブリッシングを創設。
著作としては『チャレンジ・オブ・ザ・トラウト』『カディスフライズ』『ザ・ドライフライ』『トラウトフライズ:実績のパターン集』『山上湖を釣る』。
1990 年には、卓越した文筆面での貢献により、米国フェデレーション・オブ・フライフィッシャーズ (FFF) からアーノルド・ギングリッチ記念賞を授与される。
2002年逝去。
FLY PATTERN
フライパターンMohawk
Flame Thrower
Halo Mayfly Emerger
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